私の中の想像を崩す
初めて、生湯葉さんのこえを聴いた。
文章を読む時、なんとなく想像していた生湯葉さんの声がある。
私はそういう自分の中で出来上がっていたものを崩されるのが苦手だ。
漫画や小説も、できるかぎり映像化してほしくない。好きな作品だと特に。私の中にもう答えがあるからそれを崩さないでほしい。それに映像化してしまったら、流されやすい私はずっとその映像のままになってしまう。原作を読んでも、もう自分の中で創り上げられていた答えは探しても探しても出てこない。それは悲しいし、腹立たしくもあり、怖かった。
というわけで、聴くのが怖いなって少し思ったけれど、やっぱり聴いてみた。
想像していたまんまというわけではないけれど、そこには本当の生湯葉さんがいて、ああこうやって実在してるんだと思って少し感動してしまった。
聴いてよかった。
雲の上の存在で尊すぎて、存在しているか分からないふわふわしている感じと思っていたけれど、はっきりと輪郭が見えて、(失礼は承知だけれど)勝手に親近感が湧いた。
そういえば愛してやまない森見登美彦さんも、つい先日動画で喋っているところを拝聴した。
なんだかそれは、小説の中に出てくる登場人物に声がついて動きがついて、命が吹き込まれたみたいだと思った。
やっぱりちょっと感動した。
こうして同じ時代に生きられて幸せだなと、ただ感じる。本当に私はラッキーだ。
次生まれ変わっても、机上でも動画でもなんでも良いから、また巡り会いたいと思う。