ななぶんのいち

つよく 素直に生きたい。

福岡旅行

 

 

とても幅の広い歩道の上に、簡易的な屋台が所々散らばっていた。

横断歩道から横断歩道までの間に4〜5軒ほどだろうか。

反対車線に目をやると、そこにも同じくらい屋台が並んでいる。

人密度の少ないお祭りのようだ、と私は思った。

屋台の軒先に灯された明かり、その隙間から溢れ出ている光は、ちょうど濃紺の夜に映えていてまるでイルミネーションのように感じられた。

基本的な赤やオレンジ、黄色。たまに青や緑も見かけたかもしれない。

私たちは、その夜の中を歩いていた。

さっきまで居た屋台では、瓶ビールや梅酒、おでん等をいただき、お腹も膨れてちょうど良い気分になっている。

 


二人の足元はどこか覚束ないようだった。

ゆっくり歩みを進める度、黒いアスファルト上でちらちら輝くカラフルな明かりが、その足元を飾る。

その光は華やかな笑い声と一緒に、夜に沈んだ街を明るくちらちらと照らしていた。

 


自分のことを誰も知らない世界の中、私たちは実に愉快で、そして自由だった。

 

 

 

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